« アスリート体型 | トップページ | プリンセス・ダイアナ »

『パーカー・パインの事件簿』



英国ミステリ、大スキです(え、くどいって?)。


本日は、アガサ・クリスティーの『パーカー・パイン』シリーズについて。↓


パーカー・パインの事件簿 (創元推理文庫)


クリスティーといえば、ポワロやミス・マープルですよね。


その中で、このパーカー・パインはちょっと毛色が違ってて。


ほとんど殺人事件の解決はしませんし、そもそも内容も切れ味鋭いって感じでもありません。


パーカー・パイン氏は、わりと淡々とした、大柄の、「一目で心の安らぎを覚え」るようなおじさんです(笑)。


「あなたは幸福ですか?幸福でない方は、パーカー・パイン氏にご相談ください」という新聞広告(うさんくさ・・・^^;)を出して、それを見てやってくるお客を幸福にしてあげる、という変わった商売をしています。


そーんなウマい話があるのかいな~?と思っちゃいますが、それが、あるのですよ、少なくとも、この話の中では。


夫が会社の若い女の子に夢中になっちゃってる、という悩める奥さんとか。


平凡で幸せな毎日を送ってるけれど、そのこと自体がなんとな~く不満である、という会社員とか。


あーそういう人いるいる~というような、
平凡な人々の平凡な不幸せ


長年官庁で統計を扱ってきたというパイン氏が、そうした悩みを経験に基づいて分類し(五つに分類できるらしいですよ?具体的には書いてくれてないんだけど)その傾向に沿って、解決していってくれる。


そんな短編がいくつか入っています。


別に悩みの原因そのものを根本的に解決してくれてるわけではないんです(まあ、ちゃんと解決してくれるケースもありますが)。


ただ、本当に上手に、
物事を「別の角度」から見せてくれる


不幸だ、と思う、その
こころの働き方や見方を変えてしまう


その方法が、けっこうお金を使ってたり、大がかりだったりして、ちょっとくすっと笑えて、でも、なるほどな~・・・とため息も。



特にスキなのが、『金持ちの婦人の事件』。


もーお金が有り余ってて、でもやりたいことはみーんなやっちゃったし、一緒に頑張って働いてきた夫は金持ちになってまもなく死んじゃったし、子供もいないし、お金があってもしたいことがなんにもないのよ、なんとかしてよ、っていうお金持ちのご婦人。


ちょっと(いやかなり)高飛車な感じのおばさまなのですが、パイン氏がその依頼を見事に解決します。


どうやって?かは、興味があったら読んでいただくとして。


この話を読むたびに、わたしはなんだか頭をガツンと殴られたような気持ちになるのです。


何が自分を幸せにするのか、何が自分にとって大切なのかを知らないと、幸せを感じることはムズカシイ。


それを知るためには、大きな変化がきっかけになったり、思い切った方法をとらなきゃいけないときもあるとは思います。


でも、状況を大きく変えなくても、考え方、とらえ方一つで、物事は大きく違って見えるし、大切なことにも気づける。


不幸な気分に実にしばしば陥りがちなわたしとしては(よしもとばなな曰く
「不幸っぺえ体質」笑)、こういうときもしパイン氏に相談したら、どう解決してくれるんだろう、と思いつつ、この本を開いたりします。


でも、読んでいるうちに、「てか、これ、自分でもできるんじゃん?」とも思えてくるんですよね。


他人にうまく誘導してもらうのも有効だけれど、ふだんは自分で自分のこころを誘導できれば、言うことなし、じゃないかなあ?


そう思えると、もやもやしてたこころに、ぱーっと光が射してきます。


ポワロもミス・マープルも楽しめるけれど、パーカー・パイン氏のシリーズは、楽しめる上にカウンセリング効果もあったりして^^


クリスティの推理小説の中では異色かもしれませんが、事件を解決するだけではない、人間のこころの働きに重きを置いた、面白い作品だと思います。



☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆

★昨日9/9(日)のエアロバイク★              

時間:30分 距離:12.68km 

☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆

« アスリート体型 | トップページ | プリンセス・ダイアナ »

「book」カテゴリの記事

引っ越し先ブログ

あそんで!

  • ☆ すのーにゃん ☆

おかいもの

BOOK・OFF

  • ブックオフオンライン

別館リンク