« BS、バンザイ | トップページ | 水分は大事 »

『新築物語』


清水義範作品、けっこう読んでます。

国語入試問題必勝法 』はもちろんのこと、『単位物語』『私は作中の人物である 』などなど、けっこう読んでる方だと思いますが。

じゃあどの作品が一番スキかと聞かれると、わたしは、いかにも清水義範らしい作品よりも、『新築物語』と答えてしまいます。

そんな作品あったっけ…?

そんなファンの方の困惑する姿が目に浮かびますが(汗)。

清水義範作品を紹介するという場合、この作品はあまりにも邪道であるということを幾重にもおわびいたします^^;(好み、という観点ですので…)

なんということはない、「泥江龍彦」という架空の作家(清水義範自身の分身ですね)を主人公に、彼が家を建てるまでの経緯を描いたもので、まあノンフィクションに近い作品です。

東京の借地に妻とふたり暮らし。

同じ敷地内に住んでいた妻の母が突然亡くなる。

悲しい思い出を消し去り、新しい出発をするためにも、敷地をまっさらにして、新しい家を建てようと奮闘する。

…というようなストーリーです。

スタートは悲しいですが、その後は清水義範らしい軽妙なタッチで進んでいきます。

家を建てたことのないわたしには、「家一軒建てるのって、こんなに大変なんだ~」という感想はもちろんあるわけですが。

同時に、読み終えると、家を一軒建てた気分になれて、なんだか清々しい達成感が味わえます^^。

すごく気持ちがすっきりして、気分があらたまるというか。

よーし、新しいスタートが切れたぞ、っていう、リフレッシュ気分になれる本なのですよ。

インテリア・家好きの人にも、楽しめると思いますよ。

以下、少し内容のネタバレになるので、折りたたみますね。



古い家を片づけ、思い出のものたちを捨てていく場面は、切ないです。

でも、大量のものが整理されてまっさらになっていくという清々しさも味わえます。

古く狭い仮住まいで苦労する場面では、一緒にもやもやとして、それがまたラストへの気持ちの助走になり。

家ができる直前に、一周忌法要に永平寺に行く場面では、背筋が伸びて、今までの辛かったことをお清めしてもらえたようなさっぱり感が。

その帰り、高級旅館に泊まって檜風呂に入るシーンが、また気持ちよくて!

まさに、自分も温泉にゆったりつかったような、ほわーんとした気持ちになれます(あっ、このシーンは「読書とエステ」の効能を持っていた!再発見!)

で、ようやく新築成って、新しい木の香りに包まれコーヒーを飲むおだやかな新生活を読むと。

ほんっっっとによかったね~…と、しみじみうれしくなるのです。

なんでだか片づけもしたくなるし(きれいな家の描写に刺激を受けると思われ)。

あ~、インテリア好きにはたまらない本、と言えるでしょう。

何かに少し行き詰まったように感じるときに、こころのつかえを消し去ってくれる。

そんな効果もある本です。


« BS、バンザイ | トップページ | 水分は大事 »

「book」カテゴリの記事

「interior」カテゴリの記事

引っ越し先ブログ

あそんで!

  • ☆ すのーにゃん ☆

おかいもの

BOOK・OFF

  • ブックオフオンライン

別館リンク